top of page
執筆者の写真川上 信也

シャッター音は九州を巡る Vol.1

あけましておめでとうございます。

今年もどうぞよろしくお願いたします。


今年からカレンダー撮影記のようなものを書いていければと思っている。

先日からちょっとは書いていたんだけど、まあこんな感じでとりあえずスタート。。

タイトルはとりあえず「シャッター音は九州を巡る」だけど、改めて考えようかなと。


 

 昨年から九州中を撮影で巡っている。

もちろん今までも巡っていたけれど、それはいわば僕個人の写真集制作のためであったり、ピンポイントで雑誌の取材で巡っていたということで、この頃の巡り方とはちょっと違う(巡り方なんていう表現が新鮮!)。 だいたい毎月九州を一周、もしくは一周半ほどしながら撮影を続けているので、正直いうとこれが仕事でいいのかなんて思うところもある。だって今まではお金に苦労しながら九州中車を走らせ、ホテル代、ガソリン代はもちろん、時にはコーヒー代を節約しながら撮影を何とか続けていたのだ。(できない日々もあったなあ、しみじみ…)。

 それが昨年から仕事として巡ることになり、車両費、宿泊代の心配はなくなった。そして九州各地の写真を撮ってまわり、それらの写真を月末に納品するという流れになっている。車で九州各地を巡って撮影というスタイルは以前と同じなので、僕はある意味適任だったのかもしれない。選んでいただいてとてもありがたい。いろんな方々に感謝しながら撮影を続けている。感謝の気持ちを忘れずに撮影できるなんて、これはとても素敵なことだ。

 

ただ大きく変わったことがある。今まで個人的に巡っていた頃は天気が悪くても悪いなりに作品として撮影はできていた。気分がどうしてものらないときは何もせずに帰ることもできた。そんな気ままな日々とは違って、仕事として任されているので大きな責任が伴う。条件が悪くても何とか納品に耐えうる写真を撮らなければならない。場合によっては条件が良くなるまで待機なんてこともある。仕事をはじめた昨年の春は、そのプレッシャーがとても大きくのしかかってきた。うーん大丈夫かなあと心配症の僕は落ち着かない日々を過ごしたこともあった。

 そしてこの仕事を始めてもうすぐ一年が経つ。もちろん今でも不安はあるけれど、それがいいプレッシャーになり始めたのはつい最近のことだ。ある程度の緊張感があったほうがいい撮影ができるということも分かってきた。リラックスしすぎると寝坊するしね。いい緊張感と共に、いや友にしながら撮影している。もちろん時に悪い緊張感も顔を出すので、そんな時の対処法を今は探している。車で流す音楽だったり、お気に入りのお店を見つけて本を読んだり。この頃は鹿児島と熊本にお気に入りのカレー屋を見つけて、夜はそこでリラックスしながらホットチャイを飲んでいる。

 ホテルも重要になってくるけれど、そこまで高い経費をかけられないので、とりあえず気持ちよく眠ることができればいい。欲をいえばバスタブとトイレは別々のほうがいい。そして部屋にソファーがあったらゆっくり本が読める。温泉があったらなおいいな、そして受付の方は愛想のいい女性がよかったり、と欲が止まらなくなってくるのでこの辺で。


ここまで書いてきてどんな被写体を撮影しているのか全く書いていないことに気が付いた。よく肝心なことを忘れるのでいけませんね。

 とても歴史の長い「西鉄カレンダー」という福岡の方々にはおなじみといっていいカレンダーだ。九州各地の美しい風景写真12枚で構成されていて、1月は日の出、4月は桜、12月は雪景色というように、月ごとにその季節を象徴するような被写体となっている。なので九州各地の風景の見どころをとにかく知っておかなくてはならない。

 僕は7年ほど前に「九州色彩を巡る旅」という写真集を出版しているので、ある程度は知っているつもりでいたけれど、それどころではない。ものすごく知っておかなくてはならない。いわゆる観光写真というものになるけれど、自分らしさももちろん出していかないといけない。

 前任者である写真家の松尾悠二郎さんはこの仕事を30年続けてこられたので、とにかく詳しい。この場所のここから、そしてこの時間ということまで知っておられるので、僕が引き継ぐときに何度も大濠公園のレストランで待ち合わせてお話を聞かせていただいた。

 例えば雪景色の撮影に関して。

冬の霧島連山に行くときは鹿児島県側から行くようにと言われた。福岡から向かうと「えびのインター」で降りて霧島へと向かうことが多いけれど、冬はこの道は大変なことになるので、鹿児島県側から行くようにとアドバイスされた。紅葉の撮影の時にこの道を確認したけれど、確かにえびの市から上るとヘアピンカーブだらけで大変だ。逆に鹿児島県側からの道はそれほどのカーブはなく、冬はこちらのほうがはるかに行きやすそうだ。撮影だけでなくアクセスに関しての情報もとても大切。

 とまあこんな感じで様々な情報を得ながら撮影を続けている。


 昨年の春から撮影を開始し、コロナで中断しながらも何とか再開となり、今月も日の出や雪景色を撮影する予定。

 こんな時代だからこそというのはあるが、風景がさりげなく寄り添って力を与えるような一枚になれればなあと思っている。僕自身そうであるし。カレンダーではとりあえず1ヶ月は同じ部屋に飾られることになるので、強いインパクトというよりは何度も見ているうちに味わいが生まれてくるような一枚。そんな風景写真を目指していこうと思っている。


 さて撮影記は果たして続くのだろうか。あの「坊がつる日記」を書いていた時のように毎日となるとかなり大変なので(目も疲れるしね)、とりあえず訪れた場所のことや、気になった風景やお店も含めて書いていければなあと思っている。ただ残念なので当然のことながら提出分の画像をここでは掲載できないということ。それでもカレンダー用でなはく自分用にと切り替えて撮影したり、カレンダー用と思って撮影したものも後で見直してみるとちょっとどうかなあと思うものも多数ある。


                          FUJIFILM X-T4 16-80 雲仙にて




     これが新年のながーい挨拶がわりの文章でした。

      みなさん良い一年になりますように。


閲覧数:30回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Comments


bottom of page