先月からいくつかの仕事も再開。メインの仕事はまだまだだけれど、とりあえず再開できただけでもありがたい。また西日本シティ銀行発行の「九州流」も無事に完成。これは冬に完成を予定していたものなのでずいぶん遅れたことになるけれど、完成をみてホッとしている。
僕が撮影と文章を担当しているのは見開きの「真深九州」のコーナー。特集が福岡市の成り立ち、および大宰府の歴史ということだったので、能古島の展望台から撮ってみようと思い、とある寒い日の夜明け前に渡船で能古島に渡ったのだった。まだ暗い中から展望台へと向かったのだが、詳しい道のりを知らず、とりあえず上の方へ行けばそのうち看板が現れるだろうというかなり適当な感じで向かったのだった。15年ほど前に昼間の展望台へは行ったことがあったので、だいたいの場所は知っているつもりだったけれど、想像以上に急な上り坂。 まあ想像はしていたけれどこんなに急だったかなあと真っ暗な木々に囲まれた道でハアハアと息をきらしていた。だいたい40分くらいで到着したように思う。夜明けの太陽は一瞬見えたくらいだったけれど、雲と博多湾が黄金色に輝き始めたのだった。しかし福岡市全体に陽はあたらず青い大気の中で眠ったままという、このコントラストがとても美しいものだった。遠くの太宰府、四王寺山付近は朝もやが光っていた。
そんな中からの一枚を選んでみたのだった。 ところで能古島展望台、久しぶりに行ったら目の前に携帯電話の電波塔が建てられていて撮影にはものすごく邪魔。ちょうど博多方面にあるものだから、全体を広く撮影しようと思えば必ず入ってしまう。なんでこんなところに立てちゃったのかなあ。 それをよけての撮影は結構難しいものとなった。こんな感じのページです。西日本シティ銀行の待合室などに置かれてます、無料。
また「シティ情報ふくおか」では編集長と糸島付近を取材していた。次号は糸島のお店3軒ほど掲載予定。
今発売中の7月号では10軒ほどの撮影。p20~25 p28~31 が僕の撮影担当。
アゴーラ福岡山の上ホテルの「山岳イタリアン」というのは面白かった。北イタリアをイメージした料理に合わせ、内装も石を利用して山岳をイメージ。福岡市動物園などがある南公園の小山の上に位置するため、福岡市の眺めも抜群。ちょっと高いけどいいホテルだなあと思う。仔牛のスネ肉、牛ホホ肉の白ワイン煮込みなどの料理を撮影させていただいた。いつものように自然光での撮影です。
ほかに春吉界隈の焼きそば、そば屋、フレンチ惣菜屋さんさんなどを取材し、その後に井尻商店街にあるラメットコーヒールームへ。若い夫婦が営んでいる手作りカフェ。ここは見開き2ページで紹介することになっていたので、メインをティラミスとティラミスラテ、チョコレートバナナシェイクに決めて撮影。窓側の自然光がよくあたるテーブルを使わせていただいて撮影。こういう場合は置き方や光の方向がとても重要になってくるんだけど、3つとなるとさらにバランスが難しいですね。とはいえ早く撮影しないと飲み物の状態が変わってきてしまうので素早く決めて何とか撮影。いつもそんな状況ばかりなのでもう慣れてしまっているけれど、毎回それなりに焦りながら緊張しながら撮影している。結構気に入った1枚となった。
そしてこの状況の中でも延期も中止もなく続いている冊子もある。これは大阪の健康食品会社が発行している会員向け冊子で、一般の方は見ることもできないけれど、僕は毎号6ページの撮影を担当している。そのうち4ページは料理の撮影で、毎月南区のお宅にお伺いして編集者、デザイナーさん、そしてフードデザイナーさんらと共にあれこれアイディアを出しながら撮影している。これらもすべて窓際の自然光での撮影。天候によっていろいろと色合いが左右されるので、設定でも工夫が必要。珍しくレフ版を使用することも。
この冊子は大阪の会社が福岡の編集プロダクションに依頼して制作されているんだけど、この福岡の方たちはかつて福岡で「モンタン」や「手の間」などなど、非常に上質な雑誌を作っていた方々。僕が薬院の「Comogomo」の仲間に加わったことから共に仕事をするようなったのだが、ずいぶん前からお互いに知っていたのだった。いつかいっしょに仕事することになるかもと思いながら月日は流れていたという感じで、このような形で今年から共に仕事ができてとてもうれしく思っている。デザイナーの方々は前から知っている方々で、お一人は「クリム」、もうお一人は「旅するカメラ」のデザインを担当されていた方々。福岡で雑誌を作っている方々はどこかでつながることになるので、それがとても福岡らしい。
この冊子のもう2ページは魅力的な人を毎回紹介するページとなっている。今年の初めまでは全国に取材に行けていたのだが、4月からは移動ができないので福岡市内が中心となり、遠くても糸島だったりする。読者は全国におられるんだけど、なんでこの頃福岡だけなのかなーと思っているかもしれない。まあこれはしょうがないこと。
2月に取材した軽井沢の作家さん、そして5月に取材した福岡市東区西戸崎にある本屋さん、ともに気に入ったページとなった。軽井沢では雪の浅間山を、西戸崎では海の中道付近の青い海を背景に。
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