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執筆者の写真川上 信也

ネオワイズ彗星

 彗星が見えるというので夕暮れから撮影に出かけようと準備していた。

ニュースの写真は彗星を拡大したものだったのでどういう大きさで見えているのか分からなかったけれど、天文に詳しい知り合いの情報によると、肉眼ではぼんやり見える程度だという。双眼鏡があればわりとはっきり見えるということだった。デジタルカメラで写すと肉眼で見るよりはっきり写すことができるとも。なので田舎へ行けばある程度の明るさでは写るんだろうなとは思ったけれど、思いっきり街中で撮影するというのもいいかな思った。

果たして街中から見えるのかどうかが問題であるけれど、都心から彗星が見えるなんてとても感動的だと思う。くじゅうなどの田舎ではわりと普通に流れ星とかが見えているけれど、街中で流れ星を見たのは一度しかない。 そして彗星という人間の力ではどうにもできない自然界の大いなる力が都会の上空に現れるとすれば、感動と同時に何らかの強いメッセージのようにも受け取ることができるかもしれない。特に今のような世の中では。 僕自身、日常の風景の中から見てみたいと思った。

 なのでとりあえず六本松へ。ここからだと福岡市のビルやマンション、ドームまで見渡せる。まさに福岡市の真ん中のようなイメージ。

 夕暮れ時、街灯りが次々に灯りはじめ、ドーム球場やとなりのホテルも夜景の中に輝き始めた。北西の空ときいていたのでじっくりと探してみた。するとまあぼんやり、尾を引いた彗星を確認できたのだった。ほんとぼんやりと。

 数枚の写真を撮ったけれど、写真のほうがある程度はっきりとは見える。流れ星のように強い光ではないのでかすかな尾が見える程度。写真ではこれでもちょっと見えすぎてるかなあと思えてくる。

 福岡の夜景の上空にぼんやりと現れるネオワイズ彗星。この見えるか見えないかという繊細さが宇宙の神秘的な灯火のように思えてきて、とても神秘的だなあと思えるのだった。











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