薬院のコモゴモではずいぶん長い間猫の写真を展示していたけれど、先日ひそかに入れ替えて4枚だけ展示してきた。コモゴモはコロナ以降ほとんど閉めていたけれど、そろそろ静かに再開してもいいのではということ。 とりあえず僕がいる時はお知らせしておきます。明日10日、木曜日は11時から15時くらいまでの間はいる予定なので、お時間ある方はぜひ。
展示している写真ですが、すべて過去にプリントしていたもの。写真集「くじゅう万象」の表紙写真や、「福岡の休日」に掲載された懐かしいプリントなどなど4枚です。どれもフィルムからのダイレクトプリントです。ダイレクトプリントはポジフィルムのプリントでは再現性も含めてとても優れたプリントだったけれど、数年前になくなってからはいったんデジタル化してプリントとなった。それじゃあポジフィルムで撮影した意味ないじゃん!と憤っていた。これら4枚は在りし日のダイレクトプリントとなる。眺めていて思うのは、デジタル時代よりも見ていて心地いいということ。35ミリフィルムからのダイレクトプリントなどは、よく見るとややぼやけた感じなのだが、このくらいが人間の目には一番心地いいのではと改めて思った。この頃のカメラだけでなくテレビもあまりにもキメ細かく映りすぎて気持ち悪いことがあるけれど、久しぶりにダイレクトプリントを見て今のプリントが必要以上に細かくなっていることを改めて思う。 例えばフェルメールの絵などは写真のような絵だけれど、近寄ってみるとかなりぼやけている。これが見る者の心地よさにつながっているのではとも思う。
やっと最近はカメラ会社の画素数競争のようなものが終わってきたように思うけれど、僕がいろいろと使ってきてみて思うのは、デジタルでは1500万画素くらいがまあちゅうどいいのではと思っている。一度3600万画素のフルサイズを使っていたこともあるけれど、特に優れているとはまったく思わなかった。逆に1500万くらいのほうがよかったのではと思っている。フルサイズ信仰という言葉もあったなあ。今でも田舎の印刷会社などではフルサイズ信仰というものが存在するらしいけれど、スペックでしかモノを見ることのできない人たちの単なる安心材料ということなんだろうなと思う。いまでも覚えているは、B1にプリントした際、3600万画素フルサイズよりもAPS-Cサイズの1500万画素のプリントのほうが解像度も質感も優れていたということ。
まあこれらは人それぞれの話なので正解はないとは思うけれど、懐かしいダイレクトプリントを見ながらそんなことを考えていた。
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