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川上 信也

朝の散歩


時々日の出時間ごろの散歩。

室見駅周辺の道路は通勤通学の方々が行き来している。今日は日曜日なのでそれほど慌ただしさは見られなかったけれど、平日はその人々の列をすり抜けながら室見川沿いを歩いて海へ向かう。僕はフリーの仕事をしているので平日も日曜もほぼ関係ない。世間と歩んでいる方向がまったく逆なので、それが痛快だったり時にみんな仕事なのに僕はいいのかと不安になったり、やや不安定な気持ちも沸き起こりながら海へと向かう。何でこいつ逆を歩いてんだ、というような顔で通り過ぎる人もいるので。 もちろんそれは僕の気のせいってことは分かっているんだけど反射的にそう感じることも。 だから人の少ない日曜日は気楽で結構好きだ。

 大通りの橋を越えながら福岡タワーを眺め、料亭とり市の横を過ぎる。仕込み中であろう従業員が鶏肉の入ったボウルを持って通り過ぎる。夜明け前から作業をしているのだろうか。陸橋を上ると都市高速へと入る車がETCを通過するのが見える。料金所のおじさんは通過する車をじっと眺めている。ヒマそうに見えてしまうけれど、いざという時に備えて結構緊張しているのかもしれない。やがて朝陽を浴びる都市高速の愛宕カーブが目の前に現れ、室見川河口、そして海がよく見えはじめる。僕の家から海岸までは歩いてだいたい20分くらいだろうか。

 こういう立地を考えると福岡って確かにいいところだなあと思う。もちろんその土地土地にいいところはたくさんあるだろうけれど、歩いてすぐのところに川が流れ、海があり、緑もそれなりに多いというのは精神的にとても助かっている。加えて都市高速の近代的構造物も刺激的だ。とりあえず歩けば被写体に出合うというのも写真をやっている者にとってはありがたい。くじゅうなどの自然だらけの場所へなかなか行けない時などは、こういった場所でシャッターを押していると何となく落ち着いてくる。シャッターを押していないと不安になってくるものなので。

 今日の朝、潮はずいぶん引いていたけれど、河口あたりでは波がどんどん川へと流れ込んでいた。冬鳥が浅瀬で休んでいて、時々飛び立っては浅瀬に降り立つ。相変わらずここは平和な時間だ。


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