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日々のこと

  • 川上 信也
  • 2018年9月14日
  • 読了時間: 3分

先日取材させていただいた福岡市内にあるイタリアンでのこと。

店主の方は僕とおなじくらいの年だろうか。もうちょっと下かな。お店を出して10年になるそうだ。パスタがものすごく美味しいお店として知られている。

取材用に用意していただいたトマトパスタも絶品だった。そして撮影後にいただきながらいろいろとお話をうかがった。

このお店はこぢんまりとした広さのお店なのだが、時々いろいろと文句を言ってくるお客がおられるそうだ。文句というより、その本人にとっては勝手にアドバイスでもしているつもりなんだろう。ここをああしろとか、この味をもっとこうしろとかいろいろ。そのお店にはそのお店のカラーがあるというのに、自分の好みにしろと命令口調でいう人々。だいたいご年配の方に多いらしいのだが、こういう人々に非常に腹立たしく迷惑に思っているとのこと。お客だから強くいえないという立場だろうから一層ストレスだろうと思う。味が自分に合わなければ静かに去ればいいだけの話なんだろうけれど、こういう人種は文句を言わなければ気が済まないらしい。というか、こういう話ってこの頃よく聞く気がする。何か言わなければ気が済まないという時代に生きた人々ってことだろうか。

これは写真の世界でもほんとよく聞く。北九州のJNPでも前支部長さんは写真展のたびにこういう方が現れて非常に腹立たしかったという話をよくしていた。写真なんだから好みがあって当然だろうけれど、自分の好みに合わないからといって文句言ってどうなるんだろうなあ。結局いろんな人を不快にさせるだけ。最悪の人種だなあと思う。こういう人にありがちなのは、自分はどこどこのコンテストで何賞とってるとか、かつて自分はこんな立場の人間だったんだとか、とてもくだらないことを会話の途中に挟んでゆく。誰もアンタの自慢なんて聞きたくもないのにねえ。だいたい的確にアドバイスする方のタイプは決まっていて、いいところをまず見つけてからそこを会話の始まりにしながら気が付いたところを言ってくれたりする。こちらもなるほどと思わせるような会話の流れ。こういう方の肩書というのは後から誰かから教えてくれたりもする。自分からは言わないんですよねほんとにすごい人は。そして何にも肩書なんてなくてもいい笑顔を振りまいてゆく方、こんな人も素晴らしいと思う。

不満の多い老人が増えているという話を新聞でも書いていたりするけれど、尊敬される年配の方々も僕の周りには多いので、やはりこれは人種ということになるんだろう。

文句ばかりの人種にはなりたくない。

イタリアンでトマトパスタを食べながらそう思ったのでした。


© shinya kawakami

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