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川上 信也

フクギの並木


先日完成した本、書肆侃侃房から出版された沖縄の歌人 新城貞夫「遊歩場にて」。

表紙の写真を提供させていただいた。

本島にあるフクギ並木で撮影したもの。

もうずいぶん前に撮影したものだ。

装丁はデザイナーの村上行信さん。

村上さんはかつてとある雑誌のアートディレクターをされていて、その時の編集長が丸山砂和さんだった。僕はその雑誌の山の特集で取材される側であったんだけど、特集の撮影もしてほしいということで、その後10年ほどその雑誌にかかわることとなった。雑誌の半分くらいは僕が撮影していただろうか。妥協を許さない村上さんと、超個性的な感性を持った丸山砂和さんの間で、僕はカメラマンとして、写真家として相当鍛えられたのだった。絶対にこの一枚に文句は言わせない、と必死に撮影していたように思う。そうやって完成した雑誌の数々は、相当レベルに高いものとなり、今見てもその世界に入り込んでしまうほど内容も濃い。写真もそれぞれのページにシンプルかつアート的に配置されている。それぞれの力を発揮して出来上がった作品の数々だ。

そんな時代に撮影していた「フクギ並木」の写真。

久々に村上さんから連絡があり、あの当時撮影していたこの写真を装丁に使いたいと連絡をいただいたのだった。とても懐かしくうれしい連絡だった。

完成した本、装丁ばかり楽しんでまだ読んでいない。まあ装丁や手触りを楽しむのも本の大きな魅力だ。


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