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  • 川上 信也

第1巻 圓教寺奥之院 完成!


昨年撮影させていただいた姫路、圓教寺の本が完成した。

この本は最終的にシリーズ10巻という大作になるそうで、

今回完成したのは、めでたくその第1巻。

僕の写真は表紙をはじめ、それぞれの章の扉などに使用されている。

追加取材があるとまた圓教寺に行けるのになあとちょっと期待しつつ…。

昨年、圓教寺を取材した際に別のブログで撮影記のようなものをアップしてたので、写真を加えて再度このサイトでも紹介いたします。前のブログはもう稼働してないので。

姫路 圓教寺へ

早朝7時過ぎ、姫路駅前からバスに乗った。 車窓から見えてくる姫路城が朝日に美しく輝いている。快晴の空だ。 行先は書写山ロープウェイ乗り場。

書写山、圓教寺(円教寺)というお寺の名前は今回の撮影依頼があるまで全く知らなかった。 比叡山、大山と並ぶ天台宗三大道場のひとつだという。 西国二十七番札所でもあり、平安期からの佇まいが残されている。 ロープウェイで上がり、そこからは急坂をゆくマイクロバスも運行されている。 姫路城と共に世界遺産になる予定だったらしいけれど、お断りしたとのこと。 理由は知らないけれど、それゆえに姫路城と違って静けさをある程度保っているともいえるのだろうか。 映画「ラストサムライ」や大河ドラマの撮影が行われたお寺としても知られており、 かなり広大な敷地に参道が続き、山全体に様々な御堂などが点在している。 何で僕は今まで知らなかったんだろう。 どんな世界が待ち受けているのか、 二日間に及ぶ撮影は無事に終えることができるのか、 僕は少々緊張しながら書写山へと向かった。

今回は西南学院大学の講師の方に案内していただきながら巡ってゆく。 お寺が10巻にも及ぶ本を出版する予定で、そこに使用するための写真撮影となる。 詳しいことは本が出版されてのお楽しみなので、 ここではほんの一部の撮影の話などなど簡単に。 山を登ってまず目の前に現れるのが魔尼殿。 ここは清水寺を思わせる巨大で高い建築。

ロープウェイの到着前の誰もいない空間を撮影してゆく。 朝の清澄な空気が気持ちいい。 ふと見ると、窓から(これは窓っていうのかな)朝日に映える山々の緑が見えている。 それぞれ違った表情の木々が見え隠れしている。 なんてすがすがしい場所なんだろう。 僕はこの光景を見た時に、今回の撮影はうまくいきそうだ、と思った。

続いて山道を移動し、壮大な三つの伽藍が並ぶ三つの塔。 コの字型に配置された建築も非常に見ごたえがあり、圧倒される。 始発のロープウェイでやってきた方々がちらほら見えはじめ、 中で写経をされる方も多い。若い人が多いのが印象的だ。 映画「ラストサムライ」で中心的に撮影が行われた場所でもある。 トムクルーズはここまでヘリコプターで通っていたらしい。

さらに山道を移動し、十妙院、寿量院などなど、 美しい庭や襖絵を撮影。 部屋の電気を消して、わずかに入ってくる自然光でも撮影。 この眺めを楽しみながらの精進料理も非常に人気とのこと。 今度来たときはぜひ味わってみたい。

とにかく歩き回って撮影を続け、気が付けば夕方。 奥乃院へ。 手前のまっすぐ伸びる木々がとても印象的で、なんとかこれを構図に入れたいと思っていた。 すると木々の間から夕陽が見え隠れしはじめた。

ここで一日目が終了となったけれど、 普段見ることができない釈迦三尊像、金剛堂の天女の天井画などなど、 非常に貴重なものの数々を撮影させていただいた。 これらは本の掲載をお楽しみに。 二日目も同じく山道を巡り、 ずっとせかせかと撮影していたけれど、 僕はこの円教寺がとても好きになった。 先生のおかげで歴史を垣間見ることができたというのもあるし、 何よりこの大自然に囲まれた雰囲気は、 ほかで感じたことのない心地よさだった。 スミレ藻なんていう不思議なオレンジ色の藻がお寺の片隅にひっそりと群生していたりもする。これから先、姫路に来たら姫路城よりもまず圓教寺へ行くことになるだろう。

いや姫路城は行かなくてもいいから圓教寺だ。

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