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川上 信也

久々の法華院温泉へ


ここ一週間ほど、くじゅう白丹に一人で滞在していた。しだれ桜の撮影という目的ももちろんあるのだが、その間に様々なことを考えながら様々な行動をしようと思っていた。もちろん全部できたわけではないけれど、いろんな人との出会いもあり、この一週間は僕にとってとても大切な時間となった。

やりたかった行動の一つが法華院に行くこと。

退職してから16年も行っていない。去年福岡の山のイベントで社長と久々に再会したこともあり、久々に登ってみようと思っていたのだ。

レゾネイトの駐車場に朝8時ごろに車を止め、佐渡窪経由で法華院に向かうことにした。去年の春に佐渡窪までは取材で登ったことがあるけれど、そこから先は16年ぶりとなる。

ゆっくり登ること1時間半ほどで佐渡窪に到着。

山々と湿原に囲まれた木道がとても好きで、いつも誰もいないこの場所で深呼吸するのがとても好きだ。かつてポリと一度だけ来たことがある。あれもマンサクの頃だった。

しばらく歩くと満開のマンサクを発見。

これほど青空が似合う黄色はないと思うくらい、春を待ちわびた優しい黄色。

シルエットも美しい。

それから40分ほど登り、鉾立峠に到着。

ここからはすぐそこにもう法華院が見えている。懐かしいこの峠からの風景。

そして峠を下り、法華院に到着。

何だか壁が黒くなっていて、お風呂の場所も変わっている。もちろん当時の従業員もいないし、ちょっと寂しい気持ちになってしまった。でもこれが新しい法華院。かつてポリがいた裏からの眺めは変わらないのでしばらくボーっと眺めていた。やはり隣にポリがいないのが寂しいけれど。

いろんなことがあった場所だけれど、今は楽しい思い出が思い出される。手前の窓からよくよっちゃんが手を振ってたなあとか、ヒロエちゃんはこの先の砂防ダムで筋トレに励んでたなあとか、まゆちゃんはよく落書きしてたなあとかいろいろと。

当時20代後半だった僕はとにかく写真ばかり撮っていた。こんなに撮ってどうするんだろうといつも不安に思いながらも山々を駆け巡りながらシャッターを切っていた。でもその時に撮影した写真がここ数年のカレンダーに採用されたりもしているので、あの頃の自分によくやったとほめてやりたい気分になった。

思えばデジタルカメラを持ってここに来るのも初めだ。時代はほんと変わったけれど、あの頃と変わらず写真を撮り続けている47才を迎える僕。写真の始まりはここだったのかなあと思いながら大船山、立中山、坊がつるを眺め、そしていつも隣にいたポリを思い出していた。初代アシスタントであったポリに改めてお礼をいいたい。いつもここにいたポリ君に。


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