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  • 川上 信也

冬の海


久々に糸島の海を見に行った。

風が強く、波音が海岸をぐるぐるとまわっているような日。これを海鳴りというのだろうか。

波は一瞬の光景であるので、何枚撮っても同じようにはならない面白さがある。

先日、倉敷の大原美術館でクールベの「秋の海」という絵を見た。海は確かこんな色合いで描かれていて、空の怪しさも似ている。ただ写真のない時代にこの波を描くというのは執念のような観察力と思えてくる。他の絵と比べて小さな絵ではあったけれど、とても印象に残る絵だった。

写真ではどのように表現していけばいいのだろう、と絵を見るたびにいつも思う。瞬間をとらえる面白さはもちろんあるけれど、それとは違う何か。自然が生み出す一瞬の造形的面白さはもちろんある。ちょっと高い道路沿いから眺めると、新たな波の姿を発見ということもしばしば。まあ絵と写真は基本的に違う表現なんだろうけれど、それでもあの時代の画家たちのそれぞれのオリジナリティあふれる作品を見ていると、写真でもそういったものを追いかけてしまう。

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