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川上 信也

光を追う


しばらくくじゅう白丹に滞在していたので、早起きして夜明け前の久住高原に何度か撮影に出かけていた。車で10分ほどで沢水キャンプ場付近に到着する。この付近から眺める久住高原、九重連山がとても好きで、以前からよく撮影していた。

この日は空を覆った雲の動きがとても早く、そこから時折見え隠れする朝の光が大地に様々な表情を生み出していた。シルエットになった木々の先には秋色が濃縮されたような高原。

そして次の瞬間、光が移動し(というか雲があっちへ動き)木々を一気に照らしはじめたのだった。するとさっきとはまったく違う光景が姿を見せた。

雲や光の動きに応えるように姿を変えてゆく高原、そして余韻として残される共振する空気の肌ざわり、軽やかに移り変わる風景・・・。

僕はただじっとしてシャッターを押していただけなんだけど、光を追いかけて追い越して追いかけれられて、動き回っていた印象。

こういう光景は懸命に探していないときほど姿を見せたりする。

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