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川上 信也

雨、今治からの帰り


撮影で今治に行っていた。鈍川という地区の廃校になった校舎の体育館でのイベントの撮影を依頼されていた。本来ならば森に行って間伐などの作業を撮影する予定だったのだが、雨だったので屋外のイベントになったのだった。

 お昼過ぎに撮影は終わり、今治駅へと向かう。相変わらず雨が降る。タクシーの運転手が、ずっと水不足で大変だったけれど、ここ数日の雨でダムが放水するくらいになったとのこと。

確かに九州でも雨続きだった。

 駅まで松山から両親が来ていた。仕事の帰りに実家まで帰る予定でいたんだけど、台風も来ているということで、そのまま帰ることにしたのだ。雨の中ここまで来るのは大変だったろうと思うんだけど。しばらくカフェでこの頃の話をしておみやげのじゃこ天をもらった。実家には今度ゆっくり帰ろうと思う。

 今治駅からバスに乗り、福山へ向かう。

 雨は降り続いている。バス停で待っていると緑の縞模様のバスが何台もやってくる。懐かしい瀬戸内のバスのカラーだ。雨の音の中をやってきて、曇りガラスの人影が見える。なんだかこんな何気ない光景だけでも気になってしまうのは雨のせいだろうか。

 やがて福山行き高速バスがやってきて乗り込む。

しまなみ海道も雨だ。しかしこんな雨でも自転車で走っている人に数人すれ違う。自転車の方々はこの日に予定を決めて遠くからやってきている人も多いそうで、雨だろうと雪だろうと走るそうだ。雪はとても難しいと思うんだけど。

しばらく進むと、街灯りが見え始めた。尾道だ。雨にけぶる暮れ方の尾道。

いっそう美しく見えた。

この頃雨の光景をずっと撮影している。

雨は目の前の光景を物語に変えてくれる。なんか歌の歌詞にあったような。

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