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川上 信也

雨の取材を終え


和歌山へ取材があり、朝の飛行機で関空へと向かい、そこからレンタカーで和歌山へ。

みかんの取材で、生産者の方々それぞれのみかん畑へ行って様々な話を聞かせていただいたのだった。もちろん僕は撮影担当なので、カメラを向けながらライターさんが質問に対する答えを聞いていただけ。

愛媛と同じく、山々の斜面に段々畑が広がっている。でもこの和歌山は愛媛のみかんとはちょっと違うらしい。まず取材した生産者の方々はせん定をしない。だからみかんの葉っぱはすごいことになっているけれど、実はこれが美味しさの秘密という。とても上品な酸味が生まれるとのこと。確かに甘いだけのみかんはとても物足りなく感じているので、今度はここのみかんを食べてみようと思っている。

そして雨も重要。ほかの産地と違って雨がとても大切だという。なんで大切なのか、それは車の振動で聞きそびれた。うーん大切なことなんだろうけれど。ちゃんとライターさんは聞いているはずなので、僕はちゃんと写真を撮ることに集中なのだ。

この日も雨が降り続いていた。

しかもけっこう降っている。雨の中にもかかわらず、山の上のほうにある畑までものすごく細い道を延々と進みながら連れて行ってくれた。もちろん晴れた日の取材も気持ちいいだろうけれど、雨のしっとりした雰囲気の中での取材は、それはそれでとても強く印象に残る。山道はスリルあるし、別な意味でも忘れられない。

取材が終わり、もう暗くなったころに関空に帰ってきた。

19時半すぎ出発の飛行機に乗り込み、窓の外をぼんやりみる。雨の飛行場って雨粒が光り輝き、なんだかとても魅力的だ。楽しい取材だったので、雨の風景に暗さはまったく感じられなかった。

飛行機が動き出すと、滑走路の色とりどりのライトが過ぎ去ってゆく。なんてことのない光景だろうけれど、この瞬間がとても好きだ。

そして一時間ほどの空の旅を終え、福岡に到着。

飛行機を降りてすぐバスに乗り込みターミナルへ。

雨の日はちょっと面倒かな。特に荷物のある人々にとっては。

でも飛行機が間近に見えるので僕はこの瞬間も好きなんだけど。

福岡に戻って編集の方と博多駅で夕食。

軽くビールを飲みながら一日を振り返る。いい時間だ。

長い雨の一日だったなあ。

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