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川上 信也

ハンミョウの庭


朝、玄関を開けるとハンミョウがぴょんと跳ねた。

夏前から庭で見かける美しい模様の虫。

うちの庭にはなぜかこのハンミョウがたくさん生息している。門を超えたあたりで数えてみると、7匹ほど確認できた。そしてみんな僕の歩く方向に跳んでゆく。

いつもながら何でだ?と思う。

別名ミチシルベというらしいけれど、たしかに僕をどこかへ先導してゆくように前へ前へ跳んでゆく。いつもその跳ねている数匹を目を凝らして観察してみるんだけど、一瞬の姿なので、もちろんよく分からない。でもそんな一瞬でも発見できたことは、どうやら羽根も美しい色をしているということだ。青か紫か、そんな色の羽根をしている。

いつか写真に撮れればと思うんだけど、とまっているいるところならまだしも、羽根を出しているところを撮影するのは相当難しいと思う。昆虫カメラマンのように僕の気配を隠して隠しカメラのようにするしかないんだろうきっと。でもそれは僕の撮影スタイルではないので、今日もハンミョウは美しくてすばしっこかったなあなどと感心などしながら、駐車場横のおじさん宅の庭の木々などを撮影したりしている。

今日は太陽が出ていたので洗濯物が出ていた。気持ちよさそうだ。

するとおじさんが顔を出し、

「これ、持っていかんね」

とゴーヤを5本ほどいただいた。

僕がアパートから一軒家に引っ越してきてよかったなあと思うのは、玄関を開ければ虫たちが飛び交う庭があり、畑があり、こうやって採れたて野菜をもらったりする近所の方との付き合いがあることだ。

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