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執筆者の写真川上 信也

深夜特急を再度読み終えた


自粛期間中から再度読み返していた沢木耕太郎の「深夜特急」をようやく読み終えた。1巻の「香港マカオ編」は何度か読み返していたけれど、その後の5巻までは27歳の頃に読んで以来となる。

まあ驚くほど覚えていなかった。途中で建築家の磯崎新に会うシーンがあるんだけど、そのことさえすっかり忘れていた。一応僕は建築学科卒なので、そこのとこくらい覚えておいてもいいのになあと思うんだけど、まあ記憶なんてほんといい加減なものだなあとつくづく。

 おぼろげながらにラストシーンは覚えているつもりだったんだんだけど、あまりにも記憶と違っていたのでビックリしてしまった。ラストで作者は「この旅で得たものといえば、親しい女性に旅の話ができる、そのくらいのものだ」とかなんとか淡々と書いていたと僕は記憶してたんだけど、そのシーンが何度読み返してみても現れなかった。うーんどういうことなのかな。何か別の本と勘違いしているのだろうかとも思ったんだけど、あの頃旅の前に読んでいたのは確かに「深夜特急」だった。とすると新装版で書き換えられたのかなとも思うのだ。僕が今持っているのは1巻は当時のもの。それ以降の巻は旅先かどこかに置いてきてしまっているので、新しい新装版をその後手に入れたもの。僕が印象に残っていたラストの作者の感想は削除されてしまっているのだろうか。うーん気になる。

 作者はベネチアへは行こうとして行かなかったのも改めて発見。なぜか行ったものと勘違いして僕自身はベネチアに行ってきたのだ。さすがにこれは僕の当時の記憶違いということだろう(当時から勘違いしていたのか)。

 とはいえ当時読んだ時と同じくとても痛快でいっしょに旅をしている気分になったのだ。大きく違うことといえば、この本を読んで当時の僕はこんな旅がしてみたいと一か月後には香港へと旅立っていたのだが、今の僕にはこんな旅はとても無理だということ。27歳の頃に読んでおいてよかったなと思う。

 ということであの頃に撮影したベネチアの写真を。 くじゅうの山小屋で自作した暗室で現像したものだ。暗く赤い部屋でこの写真が現像液から現れてきたときはとても感激したのを覚えている。





 

 

 

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