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執筆者の写真川上 信也

ロックスター鮎川誠

7年ほど前のことだけれど、知り合いのライターさんから鮎川誠さんの撮影をしてくれないかとお願いされたことがあった。タウン情報誌の音楽のコーナーだった。もちろん鮎川誠さんの音楽は知っていたけれど、僕はこんな有名なミュージシャン、しかもロックスターを撮影したことはなかったので最初はお断りしようかと思っていた。でも受けてみようかなと思ったのは、鮎川誠さんを取材した人はみんな彼のファンになるという話を聞いたことがあったからだ。とにかく気さくで、どんな人にも礼儀正しくて、ロックスターにありがちな上から目線なんて全くあり得ない人、という噂(その真逆の噂のミュージシャンも3人ほどいる)。なので鮎川誠さんならいいかな(というか大丈夫かな)と思って撮影場所のベイサイド博多埠頭に向かったのだった。

鮎川さんがやってくると、以前取材したことがあるというライターさんに「やあ◯◯さん、久しぶりやねー。」とちゃんと名前を呼んで挨拶をしていた。そしてとても親しそうな口調で話してくれる。時々声をかけてくるファンにも「いつもありがとねー」と笑顔だ。そんな雰囲気に僕も一気に緊張が和らいだのを覚えている。取材はほんの少しの時間だったのですぐに撮影となり、ベイサイドの階段に移動してもらった。何もしないでもカッコいい姿だけれど、鮎川さんはいろんなポーズをしてくれた。

そして撮影が終わると目の前にやってきて「今日はありがとうね」と握手してくれたのだった。あの有名な長い顔が目の前にあるだけで僕は再び緊張してしまったけれど、多くの人たちと同じように僕も鮎川誠のファンになっていた。この方こそホントのロックスターだ。

その時に撮影した写真の1枚は大切にアルバムに貼っている。僕の大切な撮影の思い出。

鮎川誠さん、安らかに。




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