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執筆者の写真川上 信也

シャッター音を傍らに scene12

 「モノコトマガジンMADE IN」で連載中の「シャッター音を傍らに」はscene12 公開です。

今回は飛行機からの話。


 

飛行機は早朝7時過ぎ福岡発新潟行き、ANAボンバルディアのプロペラ機。

いつものように窓に頭をつけながら離陸。

福岡の街が一瞬に一望できてしまう不思議さ。僕は離陸したときに福岡が見えてくるといつもどうしてか涙ぐんでしまう。かつてアジアによく旅していた時などは毎度のことだった。これはどういう感情でそうなるのかよく分からないけれど、たぶん何もゆかりのなかったこの町で多くの仲間と出会ったなあというものなんだろうと思う。しばらく福岡を離れるときなどは特にそういう気持ちが強いように思うけれど、この日は次の日には帰ってくるんだけどなあ。

 座席はみんな窓側に座っている。感染症対策ということもあるんだろう。コラムでも書いたけれど、客室乗務員の方が「いい写真取れましたか?」と声をかけてくれた。航空業界はほんと大変な思いをされているのに、とてもいい笑顔で声をかけてくれたことにとても感激してしまった。もちろんマスクで表情はよくわからないというのはあるんだけど、きっと素敵な笑顔なんだろう。

 新潟に到着し、バスで新潟駅へと向かった。しばらく時間があったので駅のスタバに入る。

するとそこでもスタッフの女性に声をかけられた。「今日はお休みですか?」と。スタバでは何度かこのように声をかけられたことがあるので、お店として行っていることなのかもしれない。でもやはり知らない街ではこんな一言がちょっとうれしいもの。「福岡からさっき到着したところです」と答えると、えーこんなところまでですかーと笑顔で答ええていた。もちろんマスク姿ではあったけれど、きっと素敵な笑顔だ。

そして取材先の方々にもとてもお世話になった。鬼クルミというものを扱っているお宅だったのだが、くるみのおやつをいただいたりしながらとても楽しいひとときを過ごさせていただいた。もちろん撮影も一所懸命しました。またカメラフィルターを忘れてしまったのだが、わざわざ駅まで届けていただいたのだった。ほんとお世話になりました。


旅ではこんな出来事がいつまでも心に残ってゆくもの。もちろん今回は旅ではなく仕事だったんだけど、いろんな場所をめぐっているのでやはり旅の思い出という感覚だ。


 





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