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執筆者の写真川上 信也

Natural Mystic

ずいぶん久しぶりに書くけれど、久しぶりにCDを買った。世の中はもはや聴き放題の、えーと何というんだったか、ナントカスク、サブスクだったかな、そういう世の中になってきているようだけれど、もちろんその便利さは分かっているつもりだけれど、音楽をしっかり所有するという感覚が持てないような気がしている。利用している友人もそんな話をしていたので、僕はできるだけCDを買ってライナーノーツを読みながらじっくり聴くということをこれからもしばらく続けていきたい。しかしサブスクの世の中と言ってもレコードの人気は再燃しているし、カセットテープの人気もどうやら一過性のものではないようで、いろいろな聴き方の方法が選べるといえことなんだろう。

僕は数年に一度、かなり凝り性的に一つの音楽を徹底的に聴くという傾向があるようで、これは小学生の頃のアリスからずっとその傾向があるようだ。まずアリスにはまって(ずいぶんませた小学生だ)、中学生からはビートルズ、その後映画音楽となり、大学生では吉田拓郎と、時代とはまったく関係なく気に入ったものを徹底的に聴きまくることになる。その後はモーツァルト、サイモン&ガーファンクル、ビーチ・ボーイズ、最近ではチューリップだ。もちろんいろんな音楽を聴いているけれど、特にはまって聴いていたのがこんな感じとなる。

そして50歳を過ぎて、もう新しい音楽ではなく、今まで聴いていた音楽をもう一度じっくり聞き返そうなどと思っていたのだけれど、この一年、ラジオにはまってからその考えは変わってきた。そこで流れてくる今まで聴いていなかったジャンルの音楽を聴いていると、やはり新たに聴いてみたいなあと思ってきたのだ。これはとてもいい傾向ですね。50過ぎて新しい世界を見つけるようでとても面白い。

特にはまっているのは村上春樹の村上RADIOという番組だけれど、村上春樹の話も思っていた以上に面白くて、たまにさりげない一言にジーンと感動することさえある。音楽の話もとっても刺激的。

そこで知った曲の一つがボブ・マーリーの「sun is shining」。レゲエはまったく聴いていなかったけれど、この曲を聴きながら車を走らせているととても心地いい。村上さんはこの曲の入ったアルバムを、ハワイのマウイ島で借りたレンタカーに忘れられていたCDでずっと聴いていたという話だった。「ナチュラル、ミスティック」というアルバム。

僕はさっそくこのCDを購入し、さてどこで聴こうかなと、聴くシチュエーションまで考えていた。そして撮影で長崎の生月島へ行くことになり、この島で聴くことに。もちろんマウイとはずいぶん違うけれど、生月島だってまあまあいうぞ。

ボブ・マーリーを聴きながら海沿いを巡った。なんて心地いいんだと感激しながら。僕にとってこの島のイメージはレゲエとなった。まさにナチュラル ミスティック! えーと、どういう意味なのかなこれは。ま、いっか。




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