今月になって数冊の本を手に入れた。
5月に部屋を思いっきり整理していらない本を処分したばかりだけれど、やはり新しい本は生きるために必要。再び部屋に本が転がりつつある。僕は今まで様々な本からいろんな影響を受けているので(おそらくいい影響を)、やはり身近に本があってほしい。
今月になって読んだ本は、「そうだ高野山がある」、「ジョン・レノンの信じるな」片山恭一、「一人称単数」村上春樹、また花乱社の新刊として「九州・沖縄の巨樹」榊晃弘写真集をいただいた。
それぞれに読み応え、見応えがあり、猛暑の続く日々、出かけることもできないのでゆっくり本と向き合うことができたのだった。
村上春樹の「一人称単数」は8作からなる短編小説であるけれど、その中に「ウィズ・ザ・ビートルズ」という短編がある。「ジョンレノンを信じるな」のすぐあとに「ウィズ・ザ・ビートルズ」を読んだため、ここ数日はその余韻としてジョン・レノンとビートルズのレコードを聴き続けている。これはとてもいい影響だ。どちらも青春時代の恋の話であるため、えーとあれはどっちの話だったかなと混乱したりもしたけれど、ストーリーの中から音楽が聴こえてくるというのはとても印象に残る。「ジョンレノンを信じるな」のワンシーン、夏の日、列車で海辺の町をゆき、彼女の姿を写真に撮っていくシーンなどは夏草の香りまで漂ってきそうだ。「ウィズ・ザ・ビートルズ」は実際に僕はこのアルバムを持っているので、その最高にかっこいいモノクロのビートルズを部屋で眺めながら、そして聴きながら読み進めていった。とてもいい時間だったように思う。
花乱社の新刊「九州・沖縄の巨樹」榊晃弘写真集は花乱社編集長の別府さんからいただいたのだった。仕事の多くが中断している僕を元気づけたいということだった。とてもありがたい。この写真集は編集の段階で何度か見せていただいていた。榊さんは80代半ばになるのだが、積極的に動き回って撮影を続けている。目標にしたい写真家のお一人だ。編集部の宇野さんは巨樹なら倉本聰でしょうということで、何とか序文を書いていただけないかとダメもとで事務所に電話したそうだ。するとまあなんとOKだったそうで、この写真集の最初に倉本聰氏の序文が掲載されている。いやあやってみるもんだなあと。
とても立派な写真集、僕も時々手元に置いて木々を眺めている。
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