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川上 信也

映画「道」など


久しぶりに西新のTSUTAYAで映画を3本借りてじっくり見たのだった。

最近の映画より古い映画をじっくり見てみようと思った。名画と呼ばれるものはハズレがないし、高校生のころにモノクロ映画をよく見ていたので僕はもともと古いものが好きなんだろうと思う。あの頃見ていた映画で心に残っているのは「アパートの鍵貸します」「シェーン」「鉄道員」などなどだが、おそらく今見たらまったく違う感想を持つだろうと思う。何にも世間のことなど知らない時代だったのだから。

 今回はとりあえずアンソニー・クイン主演の「道」、ジェームズ・スチュアート主演の「スミス都へゆく」、キャサリン・ヘップバーン、ハンフリー・ボガード主演の「アフリカの女王」の3本を借りた。「道」以外は高校生の頃あたりに見ていたかもしれないが、ほぼ忘れている。

まず見たのは「道」だったけれど、これはおそらく僕が見てきた映画の中でも3本の指に入るくらいのものになるのではと思った。哀しみ、切なさをこれほど感じる映画はそれほどないように思う。知的障害を持つ女性ジェルソミーナを演じたジュリエッタ・マシーナがずっと余韻として心に残り続ける。ザンパノを演じたアンソニー・クイン、忘れられない海辺でのラストのシーン、ほんの数秒夜空の星を見上げるのだが、あれは何を意味するのだろうとしばらく疑問に思っていたが、おそらく途中のセリフに関係しているんだろうなと思う。そのセリフは「石ころにでも必ず存在する意味がある。石ころも夜空の星もみんな同じだ」というセリフと関係しているのではと思うのだがどうなんだろう。

 このセリフと同じようなセリフが「スミス都へ行く」でもありびっくりした。それは「周りの驚異を見落とすな。木にも石ころも星もすべて自然の驚異に満ちている。」というもの。偶然同じような意味合いの名セリフがあり、ぼくにとってはとても印象に残る2本となった。そしてどちらも非常に心に残る映画となった。

 「アフリカの女王」は、、うーんちょっとイマイチかなあと。ボギーがあんな酔っぱらい船長を演じるなんてという意外性はあるけれど、物語的にはちょっと何かが足りないと感じてしまう。あとの2本に比べればだけれど。

 学生の頃に買った「百万人の英語 臨時増刊号」が今も手元にある。名作映画名セリフ集だ。「道」はイタリア語なので掲載されていないけれど、「スミス都へゆく」の名セリフは掲載されていた。

「暗いトンネルから光の中に出ると感動するだろう、いつもその感動を忘れずに生きてゆくんだ」

うん、確かにいいセリフ


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