先日仕事で広島へ行ってきた。
終わってから市内をブラブラと散歩。
駅からひろしま美術館周辺まで歩き、帰りはアーケード街を見つけて散策してみた。
けれどアーケード街というのはどこも同じような雰囲気で面白くないので、一本裏通りを歩いてみたのだった。
すると一軒の古本屋を発見。
昔からあるような小さな佇まい。
とりあえず入って本棚を眺めながらいろんな本を手にとってみた。
そして本棚の端っこで見つけたのがこの一冊。
遠藤周作の「ボクは好奇心のかたまり」。
遠藤周作のエッセイはとても面白いと聞いていたので、いつか読んでみようと思っていたのだ。狸狐庵先生のシリーズだ。
初版本で380円。先日購入した「青春の門 放浪編 上」と同じく、カバーにトレーシングペーパーのようなものがかぶせられている。この時代特有のものなのだろうか。
イラストもとても魅力的。帯もついていて、思わず隣の人の方をたたきたくなるような面白さ、と書かれている。どんな状況なのかちょっと疑問だが、伝えようとすることは分かる。
で、読んでみるとこれがとても面白い。
好奇心旺盛な作者がUFO目撃の中学生を訪ねたり、座敷童の出没する旅館に泊まってみたり、入院中に考えたヒマつぶしのいたずらの話だったり、軽妙な文章でユーモアたっぷりに書かれている。いい本と出合った。