今年の抱負なんてどこかの会社で無理やりいわされるようなことだろうけれど、思い出してみるとかつて僕も年のはじまりに何となく目標をたてて動いていたなあと。
20年ほど前は(ずいぶん前だけれど)、雑誌に僕の写真と文章を掲載させる、という目標をたてたことがあり、そうすると三つくらい雑誌に掲載することができたのだった。かつて山の渓谷社がつくっていた「ポカラ」という雑誌に湯の平温泉の話、4ページが大きく掲載されたのが記念すべき初掲載。そこで撮影させていただいた湯平温泉の旅館「大津屋」のおかみさんとは今でもお付き合いがあり、おととし由布院駅で写真展を開催したときには大きな観葉植物を持ってきていただいたのだった。僕がまだ山小屋従業員のころの話だから、もう20年ほど前の出会いということになる。その記事をとても気に入っていただいて、湯平温泉の郵便局にしばらく貼られていたという話をきいた。
こんなうれしいことがあると、これからもやってみようという気持ちになってくる。その気持ちが今に続いているといってもいい。写真と文章でギャラをいただいたのもこれが初めてのことで、これもいい意味で自信になったかなあと。その年は「続 わたしの一名山」という本にエッセイも掲載された。これは山に関するエッセイを募集しているということを聞き、応募したら賞をいただいて掲載されることになったのだ。審査委員が椎名誠や沢野ひとしという、僕が今でも好きな作家さんだったので、とても喜んだことを覚えている。
で、この年は年初にたてた目標をクリアしたわけで、総じていい一年だったなあということになる。
ここ数年、僕はいろんなことがあり上がったかと思えば思いきり落ちたりの繰り返しだったろうか。ただ10年前はアレルギーのことで体調を崩し半年ほど写真も撮れない状態だったことを思うと、ここ数年は復活しているなあという印象はある。定期的に本の出版や写真展もできているわけだし。ただ、大きな何かが足りないと思っていることも事実。それを探すことになるのだろうか。
今年はあの20年前の頃の自分のように、ちょっと新鮮な気持ちでスタートを切れたらなあと思っている。ゼロからの出発という気持ち。そう、ゼロから。これが今年の抱負、ということになるのかな。
新しく仲間に加わったレンズで庭を撮影。冬のツワブキ。なんてことのない一枚だけれど、小さな庭にこのモジャモジャが姿をみせるころの光がとても好きだ。