丸山砂和さんとのコラボ連載 2回目
太陽がどれもこれも同じでないことを、旅先で知る。
島には、島の匂いがある。
年老いたアスファルトにも、
まだまだ街になじめないビルにも、
その匂いは確実に染みついていて、
ときどき潮風と交わりながら、
夜をせつなくさせる。
どこに行っても、
アジアの川は、人とともにあった。
猫はいつでも特等席に
派手な魔法はいらない。
わけのわからない駆け引きもない。
窓からの景色は、
手元の画面よりずっとスリリングで、
冒険に満ちている。
文 丸山砂和 写真 川上信也