九重連山を望む白丹(しらに)にある元郵便局建物。
小さな集落のほぼ真ん中にある。ここは仕事仲間である丸山さんのご実家でもある。お父さんが白丹郵便局の局長だったのだ。
これは当時の写真。おそらく昭和30年代。
隣に藁ぶき屋根の家が写っているけれど、これが母屋。築100年以上たっているらしいけれど、今も僕たちが快適に寝泊りさせていただいている。屋根はもちろん変わってるけれど。
そして月日は流れ、郵便局は閉鎖。
それから数十年後、僕たちは九重連山を望むこの場所を新たなる仕事の拠点にしようと思い立ち、郵便局跡の改修がはじまったのだった(かなりユルユルのんびりと)。
気持ちのいい秋晴れの日、作業開始。大工仕事は山小屋勤務時代以来かもしれない。
窓枠の木はとても味わいがあるので、そのまま軽く磨いて活用。何色に塗ろうかと迷ったけれど、もともと赤系の色だったらしいので、赤を採用することに。また白丹の丹という文字は、日本古来の丹色(にいろ)という赤色の意味らしい。この地名の由来も決め手となり、赤に決定。
ちゃんとマスキングテープを貼ってはみ出さないように塗ってゆく。古い木に新しい命を吹き込むような気持ちだ。
また建物の前にある垣根もさっぱり。
何を植えようか考えるのも楽しい。今はつつじとアジサイがあるけれど、モクレンなんかあるといいなあと思っているけれど難しいのだろうか。土からは様々な虫たちが姿を見せた。コオロギとカエルが多いので、夜はこの方たちの声を聞きながら寝ることになる。
建物の中には立派なカウンターが当時のまま残されている。
そしておよそ二日かけ、赤に囲まれた入り口は完成。窓枠と玄関にベージュ系の色を塗った。
空き家が並ぶこの地域に新しい風を吹き込ませよう願いながら。
古い写真とほぼ同じアングルで撮影。こんな感じです。電柱の位置が違う!
ポストがあった玄関前の丸い石にはいつも猫がやってきて昼寝している。
僕たちはこの猫を 局長! と呼んでいる。
果たして招き猫になってくれるかなあ。